ANAとJALが合併?

    こんにちは、シュンゾーです。

    新型コロナ感染症の影響は世界中の経済活動に深刻な影響を与えています。中でも、
    人の移動を受け持ち、なりわいとしている輸送機関はどこも大きく減収となって
    おり、とりわけ国際線に注力する航空会社はどこも創業以来の苦境に立たされて
    います。

    そのような状況で、日本においては、A社とJ社という2大航空会社が存在しており、
    昨年コロナ禍が始まって以降、比較的すぐの頃から「日本には2社も航空会社は
    必要でない。」、「合併した方がいいのではないか。」という言説を唱える方が
    断続的に登場してきました。

    シュンゾーは予言者ではありませんので、実際のところどうなるかは神のみぞ知る、
    ですが、本当に「日本の航空会社が1社になる」ことがいいことなのでしょうか、
    また可能なことなのでしょうか。

    今日はそれを考えてみたいと思います。これまでネットや印刷メディアでは、
    「日本のAとJの2社はコロナ禍を乗り切るためには、合併すべしである」という論調
    がほとんどではなかったかと思います。
    現菅政権のブレーンと言われる、T中H蔵先生は、かなり強くこの説を述べられて
    います。

    ところが、本日オンライン版のプレジデントに評論家の北島幸司さんが投稿された
    記事は、この2社合併にはメリットがないことを明確に述べられています。

    コロナによる業績悪化で、ANAとJALの合併論がメディアに飛び交ったが、両者の体質を考えると非現実的な言説であると言える。JALの経営破綻を招いた“JASの悲劇”をぜひ思い出してほしい。

    https://president.jp/articles/-/44857

    とかつて行われたJ社によるJ-S社の吸収の例を引いて、今回のAとJの両社が合併
    するのではないかという観測に対して警鐘を鳴らしておられるわけです。
    そして、これまで「2社合併がいいのではないか」、との論を展開してきた方々が
    あまり指摘してこなかった点を次のようにズバリと突いています。

    経営破綻したJALは政府の投資抑制策(8.10ペーパー)で内部留保を増やした。積極的投資ができない分、機材リースを自社保有に変え、借金を減らすことができた。一方のANAはJALに差をつけようと積極的な投資拡大策で高コスト体質になり内部留保は減った。業績は上がり続けるとの錯覚から社内の誰もが過剰投資の警告を発しなかった。ANAの近年の経営方針で後悔があるのであれば、まさにこの部分のことである。(太字はシュンゾー)

    https://president.jp/articles/-/44857?page=2

    そうですね。A社経営陣としては危機管理ができていなかったと言われても仕方
    ないと思います。そしてA社は、驚くべきことにコロナ禍前の最終期である
    2019年3月期までの数年間連続して、その有価証券報告書に、

    【事業等のリスク】→(4) 新型インフルエンザ等の感染症に関わるリスク

    とわざわざ1項目を立てて、次のような記載を
    しています。

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    一方のJ社の有価証券報告書には同様の項目の記載はありません。
    形の上だけ見ると、A社はずっと「感染症のリスクには注意していますよ」、と
    述べています。

    でも、実際のところはどうだったのでしょうか?
    現在の状況に陥ったのは、もちろん新型コロナ感染症という、百年に一度あるか
    どうかの大厄災、不可抗力のせい、というのは間違いないところですが、だからと
    言って、A社の経営陣はすべて免責でしょうか?
    シュンゾーはちょっと違うのではないかと思います。

    一方、北島氏は次のようにも述べています。

    ANAとJALの危機的な状況の中で両社の統合論も浮上した。しかし、これは愚策だ。たとえ両社の事業規模が半減したとしても、政府や金融機関が個別に救済し、切磋琢磨してともにい上がるべきだ。なぜなら統合した場合にはシステム、機材、整備、人材教育などすべてを平準化せねばならず、組織再編にはもう1社エアラインを作るほどの費用が必要となるからだ。

    エアラインで一番コストのかかるのは航空機材だ。ANA、JALともに最大機数を保有する米ボーイング787のシリーズを例にとって説明する。両社ともに機体は同じでもエンジンが違う。ANAは74機にロールスロイスのエンジンを搭載しており、JALは46機にGE社製を使う。エンジンメーカーが違うということは、部品も全く違い、別の航空機と言っていいほどである。統合して混在することになれば、部品を2倍持たなくてはならなくなる。

    経済的な視点で無駄が多くなるだけでなく、マニュアルの違いからくる乗務員の動作や手順の違いから矛盾が生じ、安全面を毀損きそんする可能性は大きい。

    https://president.jp/articles/-/44857?page=4

    北島氏は航空会社ご勤務の経験が長いようですから、いろいろとよくご存じです。
    実は同じ787という飛行機であっても、A社とJ社の787のエンジンはまったく違う
    ものなのです。(ただし、A社はすでに74機もロールス社のエンジンで導入しました
    が、昨年Bイング社と結んだ787の追加<この期に及んで追加とは本当に驚きですが>
    の購入契約では、GE社のエンジンに変更するとのことです。さて、それでは、当初
    ロールス社のエンジンを選んだのはどういう判断だったのだろうか、という大きな
    疑問は別途出てきますが...)

    シュンゾーは、日本の大手航空会社2社が合併するメリットはまったくないと
    考えます。

    また特にA社は今回新型コロナ感染症が猛威を振るい始めてから明らかになったように、
    これまでの経営判断が良くなかったということを、まず真摯に反省し、そこは(もし合併
    をするのであれば)相手先会社に迷惑をかけない形にしてからでないと、企業としての
    倫理観からはずれたことになると思います。

    A社のここのところの飛行機への投資の問題については、シュンゾーの前回投稿
    ご覧ください。

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