こんにちは、シュンゾーです。
皆さん、マーケターという言葉はご存じでしょうか。カタカナで書く場合、多分マーケッター、でも
いいと思います。もともと英語のmarketerですから、カナで書くと表記が違うこともあります。
どういう意味でしょうか? 英辞郎on the WEB Proによれば、「マーケティング責任[立案・担当]
者」だそうです。
要するに「マーケティングをする人」ですね。
じゃぁ、マーケティングってなんですかね?
困ったときのWikipediaに聞いてみますと、
マーケティング(英: marketing)とは、企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念である。また顧客のニーズを解明し、顧客価値を生み出すための経営哲学、戦略、仕組み、プロセスを指す。
だそうです。なんか分かったようで...の感が否めませんが、平たく言うと、企業が売りたいと
思う商品をいかに顧客に買ってもらおうとするか工夫をすること、がどうもマーケティングの意味
だと、シュンゾーは思います。
ところで最近、消費者向け商品を扱っている企業において、マーケティングを担当している人に関して
無視できないような大きなトレンドがあるそうです。
アメリカの消費財大手のプロクター&ギャンブル(P&G)社の日本法人出身のマーケターの方々が、
国内の幅広い業種の消費財を扱う各社に転職して非常に活躍されている、ということなんです。
そもそもP&Gとは、アメリカのオハイオ州シンシナティに本社があり、1837年にロウソク製造業者
のウィリアム・プロクターと石鹸製造業者のジェイムズ・ギャンブルが創設しました。
プロクターとギャンブルが出会ったのは、それぞれがオリビア・ノリスとエリザベス・ノリスという
姉妹と結婚したことからだそうです。へぇーですよね。
もう少し脱線しますと、シンシナティという街はオハイオ州の南西端に位置し、オハイオ川を隔てて
ケンタッキー州と隣り合っています。ですので、シンシナティの国際空港は、コビントンという
ケンタッキー州側の街にあります。
国際空港の話が出ましたが、P&Gの他にもこの街には、もう一つ大企業があります。GE(ゼネラル
エレクトリック)の航空機エンジン部門です。GEの本社は現在はアメリカ東部マサチューセッツ州の
ボストンですが、GEを牽引する部門の一つ航空機エンジン部門は昔からこのシンシナティにあります。
さて、マーケターの話です。
P&Gジャパン出身のマーケターの方々は、どういった企業で活躍されている(あるいは、「いた」)
かですが、シュンゾーの知る限り、日本コカ・コーラ、吉野家、キリンビール、日本マクドナルド、
etc. その他も含めてきら星のごとき企業群です。
皆さん、才能がおありだから、激しく転職を繰り返す方も多く、それぞれの方々の「現在地」を把握
するのはほぼ不可能な気がいたします。
それぞれの方が、転職した先で誰もが「え、あの商品もそうなの?」と驚くほど、ヒット作を手掛け
られています。
本当にすごい。
なんで、これがP&Gジャパン出身の方々に偏っているんでしょうか。恐らくですが(誰もが思いつく
でしょうが)、何よりもP&Gのトレーニングシステムが優れているんでしょうね。
よそ様の会社のトレーニングシステムを詳細に知ることは不可能ですが、色々な所で見聞きするのは、
P&Gの「ブランドマネージメント」が優れている、ということです。
マーケターの方たちは、「ある特定のブランド」に責任を持つ、ということだそうです。それは、もち
ろん商品開発、それに先立つ市場調査、原材料の調達手段・価格交渉、製造過程の決定(自社でやるの
か他社委託か?)、物流、価格政策、販売員教育、等々、全部やるんです。
「オレは物流の専門だから、それ以外やらないよ」、「原材料のことならわかるが、それ以外は
ちょっと」とかは絶対に言わないのです。
どうやらこれが、P&G流なんですね。
P&G出身のマーケターの方々の超一流ぶりは疑いのないことなんですが、もう一つ、日本ならではの
事情もあると思います。
日本という国は、「隣の、ヨソの」会社がやっていることが非常に気になる国民の住む国です。
ですので、「あ、ウチにもP&G出身のマーケターが欲しい!」となる、企業経営層の方が多いの
だろうと思います。
要は、「横並び」で、競ってP&G出身者を採用する、と。その仲介を行う、人材紹介業の方々もその
ような企業に存在するニーズを知っていますので、人材をうまく売り込む、と。
とまぁ、そのような、(その業界にかかわる方、もしくは当事者)にとっては、ウィンウィンの好循環
が起きていると思います。
昨年来の新型コロナウイルス感染症で、大きく企業価値を落としている会社も多いでしょうが、いわ
ゆる「コロナ後」を見据えて、消費財、飲食関係企業は、自社製品の価値向上の努力は怠ってはいられ
ないと思います。
もしかすると、P&G出身のマーケターの方々が実践する考え方とか行動は、そんなに難しいことでは
ないのかもしれませんが、「知っているけど実践できない」人が多い中で、「知っているし、実践も
できる」というのが、最大の強みなんでしょうね。
そのようなマーケティングの機微を「知らないし、もちろん実践もできない」シュンゾーとしては、
ただただ、指をくわえて見ているだけであります。
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